バイク選びをする際に「排気量」という言葉をよく耳にしますが、実際にどのような意味を持つのかご存じでしょうか?
排気量はエンジンの性能やバイクの特性を大きく左右する重要な要素であり、バイクのパワーや走行性能、維持費などにも影響を与えます。
本記事では、初心者にも分かりやすく排気量の基本から、各排気量ごとの特徴や選び方のポイントまで詳しく解説します。自分に合ったバイク選びの参考にしてみてください!
排気量とは何か?基本を理解しよう

排気量の定義とその役割について
バイク排気量とは、エンジンが1度に吸い込む混合気(空気と燃料)の容積を指します。
この量は、エンジン性能やバイクの特性を大きく左右する重要な要素です。
排気量が大きいほどエンジンの出力が上がる傾向があり、高速走行や長距離移動に適したバイクとなります。
一方、排気量が小さいバイクは軽量で扱いやすく、燃費も良い傾向があります。それぞれの特性を理解することで、自身の用途に合ったバイク選びが可能になります。
エンジン構造と排気量の関係
排気量は、エンジン内部のシリンダーとピストンの動きに関係しています。
シリンダー内の空間にピストンが動いて混合気を取り込み、その燃焼エネルギーでエンジンを稼働させます。このシリンダー内の空間(容積)の合計が排気量となります。
簡単に言えば、エンジンのボア(シリンダーの直径)とストローク(ピストンの移動距離)が排気量を決定する要素です。
排気量は、エンジンの構造や気筒数(シリンダーの数)によっても異なるため、バイクごとの特性が生まれるのです。
測定方法と「cc」の意味
排気量は一般的に「cc」(立方センチメートル)や「cm³」という単位で表されます。
例えば「125cc」と表記される場合は、シリンダー内の容積が125立方センチメートルであることを意味します。
具体的な測定方法としては、「(ボア÷2)²×π×ストローク×気筒数」という計算式が使用され、これに基づいて正確な排気量が算出されます。
これらの計算によって示される排気量は、バイク選びや免許の種類を決定する基準となるため重要です。また、「cc」という表記は私たちに馴染み深いペットボトルなどの容積感覚に置き換えると具体性が増し、イメージしやすくなります。
排気量ごとのバイク区分と特徴

50cc以下(原付バイク)のメリットと制限
50cc以下のバイクは「原付バイク」と呼ばれ、初心者にも扱いやすい小型のバイクです。
主なメリットとして、免許取得が比較的簡単であり、維持費が安い点が挙げられます。
さらに、サイズもコンパクトで駐車がしやすいところも魅力的です。
しかしながら、法定速度が30km/hに制限されているほか、高速道路を走行できない、2人乗りが禁止されているなどの制約もあります。そのため、通勤や通学、買い物などの近距離移動に適していると言えるでしょう。
51cc〜125cc(原付二種)の魅力と用途
51cc〜125ccのバイクは「原付二種」と分類され、原付バイクに比べると性能が向上しています。
一番の魅力は法定速度が60km/hに引き上げられ、高速道路以外の幹線道路でもスムーズに走行できる点です。また、維持費が安いことに加え、小型自動二輪の免許さえ取得すれば運転可能です。さらに、2人乗りが可能であるため、家族や友人と一緒に移動することに適しています。
一方、車体サイズが少し大きくなる場合があるため、取り回しに慣れる必要があります。この排気量は、街乗りからちょっとしたツーリングまで幅広い用途で活躍します。
126cc〜250cc(軽二輪)のバランスが取れた性能
126cc〜250ccのバイクは「軽二輪」と呼ばれ、バランスの良さが魅力です。
初心者から上級者まで幅広いライダーに支持されており、日常使いから長距離ツーリングまで幅広い用途に対応可能です。
この排気量のバイクの特長は、軽量でありながらも十分なパワーを持っていることです。そのため、取り回しがしやすく、初めてバイクに乗る人にも適しています。
また、このクラスのバイクは車検が不要である点も経済的なメリットとなります。一方、高速道路での長時間走行や急な加速では、大型バイクに比べてパワー不足を感じることもあります。
251cc〜400cc(普通二輪)の特徴と税金・車検
251cc〜400ccのバイクは「普通二輪」の中でも中型バイクとして分類され、特に中級者以上のライダーに人気があります。
このクラスのバイクは、街乗りからツーリングまで幅広いシチュエーションで活躍できるほどのパワーを備えており、高速道路での安定性も優れています。
ただし、維持費は126cc〜250ccクラスよりも高く、車検が必要です。また、燃費や重量も増加するため、扱いやすさを求める初心者には少しハードルが高いかもしれません。
それでも、この排気量は加速感や高速走行時の快適性を考慮すると、十分な価値があると言えるでしょう。
バイクの排気量別の比較
排気量 | メリット | デメリット |
---|---|---|
50cc以下 | 原付免許で運転可能、燃費が良い、税金が安い | 速度が遅い(法定速度30km/h)、二段階右折が必要、長距離には不向き |
51cc-125cc | 普通自動二輪免許(小型)で運転可能、維持費が安い、市街地での機動性が高い | 高速道路が使えない、登坂時のパワー不足、二人乗り可 |
126cc-250cc | 普通自動二輪免許で運転可能、高速道路を利用可能、コストパフォーマンスが良い | 維持費がやや高め、高速ではパワー不足を感じる場合あり |
251cc-400cc | 普通自動二輪免許で運転可能、パワーと取り回しのバランスが良い | 大型に比べるとパワー不足、高速走行時の安定性に欠ける場合あり |
401cc-750cc | 大型自動二輪免許が必要、ツーリング向き、パワフルな走行が可能 | 車体が重く扱いが難しい、維持費が高い |
751cc以上 | 最高のパワーと走行性能、長距離ツーリングに最適、豪華な装備が多い | 高価、車体が大きく重い、燃費が悪い |
排気量とバイク選び:初心者におすすめの排気量

初心者が扱いやすい排気量とは?
初心者がバイクを選ぶ際は、軽く扱いやすい排気量が理想です。
特に、126cc~250ccの軽二輪は、パワー、重量、燃費のバランスが取れており、初心者でも扱いやすいと言われています。
この排気量はエンジンのパワーがほどよく、加速時の挙動も穏やかで安定しているため、初めてのバイクとしておすすめです。また、車検が不要な点は維持費を抑える上で大きなメリットです。
通勤や街乗り向けの排気量
通勤や街乗りに適したバイクを考えると、50cc以下の原付や51cc~125ccの原付二種が候補に挙がります。
50cc以下の原付は、軽量で駐車もしやすく、細い道でも取り回しがスムーズです。
ただし、法定速度が30km/hに制限されているため、幹線道路での利用には注意が必要です。
一方、51cc~125ccの原付二種は法定速度が60km/hまで引き上げられ、高速道路以外の交通状況にも対応しやすい点が魅力です。
また、燃費が良いので通勤費用を抑えたい場合にもおすすめです。
バイク排気量とは何かを理解した上で、自身の移動距離や道路環境に合った車種を選ぶと良いでしょう。
長距離ツーリングに最適な排気量は?
長距離ツーリングを目的にバイクを選ぶなら、251cc~400ccの普通二輪がおすすめです。
このクラスのバイクは、高速道路の走行も問題なく、排気量に応じたパワーで快適に走行できます。
また、搭載されるエンジンは安定感があり、長時間のライディングでも疲れにくい設計になっています。
さらに、大型二輪と比べると軽量なモデルも多いため、初心者でも無理なく運転できます。
燃料タンクが大きめのモデルを選べば、給油の頻度を抑えてより遠くへのツーリングが可能になります。排気量が重要な選択基準となるため、用途に合ったクラスを慎重に比較することが大切です。
排気量の違いで何が変わる?

加速・パワーと排気量の関係
バイクの排気量はエンジン性能に直結します。特に排気量が大きいバイクほど、エンジンの吸気量が多くなり強力なパワーを発揮することができます。
その結果、加速性能が向上し、高速道路や急な坂道でもスムーズな走行が可能です。
一方、排気量が小さいバイクは軽量で取り回しがしやすい反面、加速力や最高速度には限界があります。
初心者や街乗りをメインとする場合は、小排気量のバイクがおすすめですが、長距離やスピードを重視する場合には、大排気量のモデルが理想的です。
維持費や税金への影響
排気量は維持費や税金にも影響を与えます。
例えば、50cc以下の原付バイクは排気量が小さいため、自動車税が非常に安く抑えられますが、排気量が大きくなるにつれて税金も上昇していきます。
また、250cc超のバイクになると車検が必要になるため、更に維持費が増える点にも注意が必要です。一方で、排気量が大きいバイクはパワフルな走行性能を提供してくれるため、費用対効果を考えた上で選ぶことが大切です。
ライディング体験の違い
排気量の異なるバイクでは、ライディング体験も大きく異なります。
50ccの原付バイクは気軽に運転できる手軽さが魅力ですが、その分スピード感や安定感に限界があることも。
また、250ccの軽二輪は程よいパワーと扱いやすさを兼ね備えており、初心者からベテランまで幅広い層に人気があります。
さらに、400cc超の大型バイクになると、スムーズなクルージングや高い安定感が得られる一方で、重量や操作性に注意が必要です。
目的や好みに応じて自分に合った排気量を選ぶことで、より充実したライディング体験が得られます。
燃費と排気量:どちらが経済的?
燃費性能も排気量によって大きく変わります。
一般的には、排気量が小さいほど燃費が良くなる傾向にあります。
例えば、50ccや125ccの小排気量バイクは燃費性能に優れており、日常の通勤や短距離移動にぴったりです。
一方で、250cc以上のバイクは燃費が低下するものの、長距離走行や高速巡航時の快適性が向上します。
燃費と走行性能のバランスを考え、自分の使用目的や走行距離に適した排気量を選ぶことが大切です。バイク排気量とは、こうした経済性にも直接影響を及ぼす重要な要素なのです。
まとめ
バイクの排気量は、エンジンの性能や走行特性に大きな影響を与える重要な要素です。
50cc以下の原付バイクは手軽さと経済性が魅力ですが、法定速度の制限があり、主に街乗り向けです。125ccクラスは取り回しのしやすさと走行性能のバランスが良く、通勤や短距離ツーリングに適しています。
250cc以上になると、高速走行や長距離ツーリングも快適にこなせる一方で、維持費や重量が増える点には注意が必要です。自分の用途やライディングスタイルに合った排気量を選び、安全で快適なバイクライフを楽しみましょう!