2025年から新たな二輪車制度が始動する可能性が高まっています。

この制度変更により、普通免許保持者でも一部の125ccバイクを運転できるようになる見込みです。

「新基準原付」と呼ばれるこの新カテゴリーは、出力を制限した125ccバイクが対象となり、バイク市場に大きな変化をもたらすことが期待されています。

しかし、すべての125ccバイクが普通免許で運転できるようになるわけではありません。

本記事では、新制度の詳細やその背景、普通免許で運転できる125ccバイクの条件、注意点などについて解説します。

125ccバイク運転が普通免許で可能になる背景

法律改正の目的と経緯

現在、普通自動車免許で運転可能なバイクは排気量50cc以下の原動機付自転車に限られています。

しかし、交通事情の変化や排ガス規制の強化に伴い、この枠組みを見直す動きが進行中です。法律改正の目的として、主に交通の利便性向上と環境負荷の軽減が挙げられます。

特に、50ccバイクの需要が減少する中、排気量125cc以下のバイクにも普通免許で対応可能とすることで、新たな移動手段の選択肢を提供しようという狙いがあります。

この議題は、警察庁や経済産業省、国土交通省が中心となり、『二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会』で議論されています。

免許区分はこう変わる(2025年4月から)

排気量(cc)	～125	50超～125	125超～400	400超～
	免許区分	原付き免許 (最高出力4キロワット以下)	小型限定普通二輪免許 (最高出力4キロワット超)	普通二輪免許	大型二輪免許

現行の規制と新基準の違い

現行の規制では、普通免許保持者が運転できる二輪車の排気量は50cc以下に制限されています。

一方、新基準では総排気量125cc以下、かつ最高出力4kW（5.4ps）以下に制御されたバイクが「新基準原付」として対象となります。この出力制御により、安全性が確保される見込みです。

ただし、この新基準に適合しない既存の125ccバイクに関しては従来通り小型二輪免許が必要となります。

排ガス規制と50cc原付の代替

排ガス規制の強化が、今回の制度見直しの大きな背景にあります。

2025年11月以降に適用される国内第4次排ガス規制では、50cc原付バイクの基準がこれまでよりも厳しくなり、多くのモデルが生産終了の可能性に直面しています。

その一方で、125ccクラスのバイクは排ガス基準をクリアするうえで適切な選択肢とされています。そのため、50cc原付バイクの代替として125ccバイクが注目されており、普通免許保持者にも新基準を満たすものに限り運転を可能にすることが検討されています。

新制度の導入時期とその影響

新たな基準の具体的な導入時期については、2025年4月1日の道路交通法施行規則改正と、それに続く2025年11月の排ガス規制適用のタイミングが鍵となります。

ただし、具体的な施行日は未定であり、現在検討段階にあります。この改正により普通免許で運転可能な二輪車の適用範囲に新基準を満たす125cc車両が加わることが期待されています。

これにより、移動手段としてバイクが再び注目されるだけでなく、地方部での交通利便性向上やバイク市場の活性化が予測されます。

普通免許で運転できる125ccバイクの条件

対象となる排気量の範囲

現行の普通自動車免許では、50cc以下のバイク、いわゆる原動機付自転車しか運転することができません。

今回検討されている法改正では、総排気量125cc以下の二輪車が対象となりますが、すべての125ccバイクが対象になるわけではありません。新基準原付として認められる特定の125ccバイクのみが普通免許で運転可能になる見込みです。

最高出力やスピードの制限

新たに普通免許で運転できるようになる125ccバイクには、最高出力4kW（5.4ps）以下という条件が設けられる予定です。

これは、バイクの性能を制御することで安全性を確保するための措置です。また、現行の50cc原付と同様に、法定速度30kmの上限が適用される予定です。

このため、従来の125ccバイクとは異なり、速度や加速性能が抑制された仕様になる見込みです。

原付１種特有の交通ルールは変わらない予定ですので、
・法定速度は30km
・二段階右折
・二人乗り不可

車体が大きくなるだけですね。
荷物はもしかしたらたくさん積めるようになるかもしれませんが・・・。

バイク最高出力一覧

注意点:

• 上記数値は代表的なモデルのものです。同一排気量でも、モデルや年式によって最高出力が異なる場合があります。
• バイクの最高出力は、カタログスペックであり、実際の走行性能とは異なる場合があります。
• 2025年の法改正により原付一種の区分が変更になります。その為50ccクラスと125ccクラスの区分けが無くなる可能性があります。

新基準バイクと既存モデルの違い

新基準で普通免許で運転可能となる125ccバイクは、現行の125ccモデルとは明確に区別されます。

特に、最高出力4kW以下への制御が義務化されるため、従来の125ccバイクに比べると加速性能や最高速度が限定されます。

既存の125ccバイクは出力制御されていないため、引き続き小型二輪免許が必要となります。新基準原付として認められるのは、新たに設計された車両のみとなる見込みです。

既存の125ccバイクに乗る事はできません

安全性の観点からの設計ポイント

安全性を重視した設計が新基準の125ccバイクには求められています。

具体的には、最高出力を制御するほか、不正改造防止措置や外観上の識別性確保などの安全対策が講じられる予定です。

また、従来の50cc原付と同様に二段階右折などの交通ルールが適用されるため、それに対応した車両制御システムの導入も検討されています。

このような設計の工夫により、普通免許保持者でも安心して運転できるバイクが提供されることが期待されています。

普通免許保持者が125ccバイクに乗る際の注意点

運転方法と交通ルールの理解

普通免許で新基準原付（125ccバイク）が運転可能になった場合でも、安全運転の基本と交通ルールの理解が欠かせません。

新基準原付には、現行の原付一種（50cc以下）と同様の交通ルールが適用される予定です。

具体的には、法定速度30km/h、2人乗り禁止、二段階右折などのルールが適用されます。

最高出力が抑制されていることから、速度や加速感が従来の125ccバイクと異なることを認識し、慎重な運転を心がけましょう。

ヘルメットと装備品の選び方

新基準原付に乗車する際には、適切な二輪用ヘルメットの着用が必要です。

特に、普通免許保持者が新基準の125ccバイクに初めて乗る場合、安全性を高めるためにフルフェイスヘルメットやジェットヘルメットを検討すると良いでしょう。

また、グローブやプロテクター付きのジャケットなど、ライダー用の装備品を揃えておくことも重要です。これらは万が一の事故時に備えるだけでなく、日常の走行中に快適さと安全性を向上させる役割を果たします。

事故防止のための心構え

新基準原付は50cc原付バイクよりも重量も出力も増加するため、運転にはさらなる注意が必要です。

交差点での右直事故や後方からの追突事故を防ぐためには、周囲の車両や歩行者の動きに十分注意を払いながら運転をすることが大切です。

また、視認性を高めるために車体のライトを日中でも点灯させたり、反射材付きの装備を利用するのも事故防止に役立ちます。運転中は常に防衛運転を心掛け、急ブレーキや急発進を避けることが重要です。

保険加入の重要性と手続き

普通免許で新基準原付が運転可能になった場合でも、適切な保険加入は重要です。

自動車損害賠償責任保険（自賠責保険）は法律で義務付けられていますが、それに加えて任意保険への加入を検討することで、万が一の事故での経済的リスクを軽減できます。

特に、対人・対物賠償保険や搭乗者保険をカバーしたプランを選ぶと良いでしょう。保険の手続きは、バイクの購入時に販売店で案内してもらうか、自分で保険会社と契約を行う形で進めることが一般的です。

法律改正がもたらす影響と今後の展望

交通社会における新基準原付の役割

普通免許で新基準原付（125ccバイク）の運転が可能になる改正は、日常生活や交通社会に変化をもたらす可能性があります。

出力が制御されるとはいえ、現行の50cc原付よりは走行性能が向上するため、通勤や通学、買い物などの移動手段としてより実用的な選択肢となる可能性があります。

これにより、四輪車に頼らずに二輪車を活用する人が増え、都市の渋滞緩和や駐車場不足の問題解決にも繋がる可能性があります。

地方部と都市部での活用シーン

地方部では、公共交通機関が十分でない地域が多く、特に短距離移動の手段として新基準原付の活用が期待されます。

農村部や中小都市では、免許を持つ方にとって便利な移動手段となる可能性があります。一方で、都市部では駐車スペースの効率的な活用や渋滞回避の観点から、通勤や配送業務などでの利用が促進される可能性があります。

二輪車市場への影響と予測

新基準原付の導入は、国内の二輪車市場に影響を及ぼす可能性があります。

特に、日本のバイクメーカーをはじめとする国内メーカーは、出力制限を満たした新基準バイクの開発に注力することが予想されます。

この法律改正によって、これまで原付一種を利用していた層や、新たにバイクの利用を検討する層を取り込むことで、販売台数に変化が生じる可能性があります。

今後の制度詳細決定に向けて

新基準原付に関する法律改正は現在も検討段階にあり、具体的な施行日や詳細な規定はこれから決定されていく見込みです。

導入時期は2025年4月の道路交通法施行規則改正と2025年11月の排ガス規制適用のタイミングが鍵となりますが、正確な日程については今後の発表を待つ必要があります。

また、交通ルールや車両の詳細な要件についても、今後さらなる情報が公開される可能性があります。

まとめ

新基準原付制度は、排ガス規制強化や交通利便性向上を背景に検討されている新しい二輪車区分です。

最高出力4kW（5.4PS）以下に制御された総排気量125cc以下の二輪車が対象となり、原付免許または普通自動車免許で運転可能になる見込みです。

ただし、既存の出力制御されていない125ccバイクは引き続き小型二輪免許が必要となります。新基準原付には現行の原付一種と同様の交通ルール（法定速度30km/h、2人乗り禁止、二段階右折など）が適用される予定です。

導入時期は2025年4月の道路交通法施行規則改正と2025年11月の排ガス規制適用のタイミングが鍵となりますが、具体的な施行日は未定であり、検討段階にあります。不正改造防止措置や外観上の識別性確保などの安全対策も講じられる予定です。

この新制度により、バイク市場の活性化や移動手段の選択肢拡大が期待されています。

ただし、新基準原付を運転する際は、適切な装備の準備や交通ルールの理解、安全運転の心がけが重要です。今後の具体的な施行日や詳細な規定の発表に注目していきましょう。